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HP-A3のノイズ問題がやっと解決した。 

昨年購入したヘッドホンアンプHP-A3が、スリープ/休止状態から立ち上げたときに
ノイズが入る場合があったのですがようやく完全に解消しました。


□ 不安定になるのは電圧降下が主要因か?

USB電圧/電流チェッカーを購入してデスクトップPCのUSBポートを測定しました。
起動時に電圧が4.68Vまで降下する場合があり、HP-A3が不安定になったようです。
規格上4.75V~5.25Vまで許容範囲なのでアウトですね。

シャットダウンしてからの起動だと正常に動作するのは、コネクションが成立する
タイミングが異なるからでしょう。

無負荷時は5.05Vで安定しています。
全てのポートに機器を接続すると4.86Vまで電圧が降下してしまいました。
この状態でスリープから立ち上げると負荷が集中し電圧が一瞬下回るようです。

PCI Expressに増設したUSB3.0ポートは補助電源に接続しているので
安定してくれると思ったのですが、実際は内蔵ポートとさほど変わりません。
ポート全てに接続しても4.87Vを下回ることは無かったので安定性はこちらが上かな。
ただし、USB DACによってはUSB3.0自体と相性が悪く不安定になる機種もあるらしく
可能ならUSB2.0ポートを利用した方が余計なトラブルが無くて良いのかもしれません。


□ 実はUSBレシーバーに原因あり?

電圧降下が原因だと目星がついたので対策することにしました。
一番手っ取り早いのはUSBポートに接続する機器を最小限に抑えることです。
しかしそれでは使い勝手が悪くなってしまうので次の手段として電源を分離することにしました。

HP-A3はバスパワー専用のため、USBケーブルから電源線を分岐させる必要があります。
その場合は加工するか、電源線を二股に分岐させた市販のケーブルを使用します。
またセルフパワーのUSBハブを経由するのも手ですね。今まではこの方法をとっていました。

それでも電力供給に問題が無いにも関わらずノイズが発生する事がありました。
もしかするとHP-A3のUSBレシーバにも原因がありそうです。


□ HP-A3は192kHz 24bitに対応していました

内部を開けて改めて調べてみると主要なチップは以下の物でした。

USBレシーバ: TENOR TE7022L(96kHz 24bit)
DAIチップ: シーラスロジック CS8416(192kHz 24bit)
DACチップ: 旭化成 AK4390(216kHz 32bit)
ヘッドホンアンプIC: Texas Instruments TPA6120A2


本来TE7022Lのサンプリング周波数は32kHz / 44.1kHz / 48kHz / 96kHz (88.2kHzは非対応)ですが、HP-A3では何故か96kHzに固定されています。そのためUSB接続の場合はWindows標準のカーネルミキサーが自動でアップサンプリング処理を行っています。

DAIチップはCS8416で、こちらは192 khz 24bitまでの入力に対応しています。
FOSTEXの仕様ページにはS/PDIF(32kHz ~ 96kHz)と記載されていますが、CS8416の仕様上192kHzまでの入力に対応していなければおかしいです。記載ミスでしょうか?

せっかく192khz 24bitに対応しているインターフェイスを備えているのに、USBレシーバ側で96kHzに制限されているのはもったいない。以前購入した上海問屋のDN-11221ですら192kHz 24bit対応です(シーラスロジック CM6632A)

もし技術的な問題でUSB入力を96kHzに固定しているのなら、S/PDIF接続にすることでノイズ源たるパソコンから切り離すことができ、ノイズ問題を解消できるのでは無いかと考えました。それと192kHz入力が可能であれば音質の改善も期待できそうです。早速試すことにしました。


□ HP-A3をS/PDIF入力で運用することにした

DN-11221をD/Dコンバータ(以下DDC)として使用し、S/PDIF端子からHP-A3へ接続します。
構成は以下の通りです。

PC → USBケーブル → DN-11221(S/PDIF光出力)
                ↓
               光角形ケーブル
                ↓
               HP-A3(S/PDIF光入力) → ヘッドホン出力
                ↑(ACアダプターからUSBケーブルで電源供給)


電源はDN-11221はACアダプターとUSB端子からの二重供給。
HP-A3はAnkerの60W ACアダプターからUSBケーブルで供給を受けます。
このUSB ACアダプターは最低5.05V~最高5.27Vまで必要に応じて変動します。
高負荷をかけてみましたが5.05Vを一度も下回ることはありませんでした。優秀です。

手持ちのハイレゾ音源を再生し、DN-11221で192kHz 24bitを出力してみました。
結果、HP-A3でもS/PDIF入力であれば192kHz 24bitを正常に再生できることが確認できました。
他のサンプリングレートも試しましたが88.2kHz、176.4kHzなども問題なく再生できています。
音質は正直なところ差は感じませんが、今まで強制的に96kHzで聞いていたので精神的にスッキリしました。

肝心のスリープ時のノイズ問題も1ヶ月経過した現在まで一切発生していません。
USBケーブル1本で簡単接続できることが売りのHP-A3ですが、USB周りの相性問題の事を考えると複合機は考え物だなと思ってしまいました。DDC→DAC→アンプはお金がかかるけど、最高の環境を求めるなら一度は試してみたいものです。


ちなみに後継のHP-A4は分解写真を見ると、TIのDSP(TMS320C5505)がUSBインターフェイスやDSD処理を受け持っていて、DAIに旭化成AK4118AEQ、DACにバーブラウンPCM1792Aを採用しているようです。

USB DACはUSB周りの進化が大きそうですね。PCオーディオである以上、安定性も大事。
どうしても相性悪いようなら買い換えも一つの手ですね。
[ 2015/05/19 11:24 ] ヘッドホン・イヤホン | TB(0) | CM(0)

【ヘッドホン】 Fidelio X2を手放して、X1に戻りました。 

かれこれ3ヶ月近くFidelio X2を使用してきましたが、音色が好みと違ったので手放しました。
X1の後継としてX2には期待していたのですが、性能はともかく好きになれない音でした。


低域の表現は大変素晴らしく、私の知っている限りではトップクラスの音質なのですが
中高域が浮ついているように聞こえて段々と好みからずれてきました。
ヘッドホンアンプのHP-A3とマッチングが悪いのかもしれません。
beyerdynamic T90も同じように高域が強く感じられるようになって手放してしまいました。

どうやら自分は高域にメリハリが効いている音が苦手だということがはっきりと分かりました。
シャリ感のあるDT990Eは気に入っているので納得できていませんけど。


現時点で手元に残っている開放型ヘッドホンはFidelio X1、HD650、DT990 edition 2005の3本です。
普段はX1で聞いていますが、ゲームや動画鑑賞は軽量なHD650を主に使っています。

X1は全体的に高解像で濃厚、HD650はあっさりしているのに密度感のある鳴り方で
どちらも定位感に優れたヘッドホンです。
DT990Eはライブ音源等、臨場感を生かしたいときに大変重宝します。
X1一本だけで済ませたいのですが、DT990EとHD650の音も捨てがたく
気分に合わせて入れ替えて使っています。

密閉型はZ700DJを相変わらず愛用中。
打ち込み系はめっぽう強いです。もうコレじゃ無いと聞けないと思うほど。

構造は異なるのにZ700DJとX1は雰囲気が似ている気がします。
最新鋭のヘッドホンと比べると細かな音は強めの低音に混じってしまうのですが
どことなく懐かしい雰囲気のする柔らかい音色というのでしょうか。
音楽が主体で、細かなことは気にしないで没頭できる感じ。

迷走したヘッドホン選びもこれで終了かな。
[ 2015/05/16 00:43 ] ヘッドホン・イヤホン | TB(0) | CM(1)

【ヘッドホン】 HD650とFidelio X1とT90はどれも個性的。 

T90-HD650-X1

左からbeyerdynamic T90、Sennheiser HD650、Philips Fidelio X1
昨年購入したヘッドホンで、この3機種が特に印象に残っています。


■ Fidelio X1

視聴機に一目惚れして衝動的に購入。
深みのある柔らかい低域とクリアな中高域が特徴的です。
なかなか解像感も良くハイエンドにしては珍しい重厚なサウンドも魅力的。
特に定位感が素晴らしく他機種には得難いものがあります。

開放型と思えないほど厚みのある低域と、心地よい響き方も好印象。
バスドラムのずっしりした音圧まで振動として実感できるほどで、開放型でここまで
濃いのはそうありません。低音に定評のあるHD650でさえ薄っぺらく感じるほどです。

またT90やHD650、DT990Eで聞くに堪えないほど高音の刺激が強い音源であっても
X1だけはスムーズに再生してくれました。
音源を選ばない、大変オールマイティなヘッドホンです。

低反発フォームのパッドはクッション性に優れ長時間装着も苦にならない。
細部までこだわり抜かれた高級感のあるデザインで
「音はいいけど見た目がいまいち」な事も無く所有欲も満たしてくれます。


■ beyerdynamic T90

DT990 edition 2005を妙に気に入ってしまい、上位機種も欲しくなって購入。
鋭く硬質な音色で曖昧さのない明瞭な音質。
高解像度でありながら冷徹でもなく、ほのかに艶もある。

透き通った高域に紛れて目立たないが、実は低域の再生も上手い。
低域はほどよくしなやかでありながら、引き締まっている。ただ余韻をコントロールしすぎて
鳴らしづらいとも感じました。

明快でスカッと爽やかな鳴りっぷり。beyerらしい臨場感、生々しさも健在。
ビビッドに鳴り響くシンバルの韻は誰もが印象に残るはず。
無骨な見た目ながら装着感が割と良く、シンプルなアーチを描くヘッドバンドは
長時間装着でも苦になりません。

購入時はかなり高評価でしたが、HD650を購入したことで手放しました。
高域の表現が私の許容範囲を超えて突き抜けすぎているように感じたのが原因です。
特定の箇所を注目すれば最高級でしたが、全体のバランスが馴染めませんでした。
DT990Eさえあればリアル感の強いヘッドホンは足りています。


■ HD650
これぞ開放型ヘッドホンの王道。多くの意味でレファレンス機。

ヘッドホンスパイラルに陥った元凶そのもの。
10年前にこれに出会わなければ良かったのにと思わずにいられない。
後年になって時限爆弾のように炸裂し、結局購入してしまった。

今でこそミドル級の価格帯に収まっていますが、音質と扱いづらさは間違いなくハイエンド。
インピーダンスが300オームと非常に高い割りに、感度は悪くないのでiPod程度の出力で
あっても音量は取れますがモヤモヤ感が晴れず暗く沈んで聞こえがちです。
HP-A3で高域の再生はかなり良くなりますが、今度は低域の厚みが弱く感じます。

再生するアンプのグレードが上がるにつれて良く鳴ってくれます。
でもそれほどの高級機ならどのようなヘッドホンでも素晴らしく鳴りそうですが(笑)
貪欲なまでプレーヤーに性能を要求してきますので、マニア向けだと思いました。


HD650の良さはなんだろうかと考えてみると、まず装着感の良さが挙げられます。
軽量であること、そして頭頂部で左右に分かれたヘッドパッドのお陰で長時間の視聴に最適。
側圧は強めでしたが、数ヶ月かけて矯正したところ大変快適になりました。
手持ちの中で最も良好な装着感と言い切れます。

音質のレビューは各所でされている通り、低域よりのフラットな鳴り方。
高域から低域まで滑らかで、目立った凹凸もなくとにかくスムーズに再生します。
厚みやレンジの広さはX1、響きと開放感はDT990E、解像感はT90に譲りますが
低域~高域まで余すところ無く再生しているように感じられます。

音場が独特で、少しだけ前方から投射されているようです。
比較的耳横に近い部分で音が立ち上がり、外側へ広がりながら消失していきます。
この消失感とも呼べる部分がX1やDT990Eとも違った感触で面白い。
DT990Eは反響のある大ホールだとすれば、HD650は大きいスタジオっぽい雰囲気。
単純に広いだけでなく、音に密度があり包み込まれる感じが強い。
HD650の人気の秘訣はこの音場感に秘密がありそうです。

依然読んだオーディオ誌に「オーケストラに向いた音」と書いてありました。
試しにワルシャワフィルのライブ録音を聞いたのですが、どうしてか音が団子状に
まとまりすぎていて合わないように感じました。X1の方が真っ当に聞こえますし、
DT990Eは生々しい楽器の鳴りでホールに漂う空気感まで伝わってきます。
どちらかといえばスタジオ録音の方が向いているように感じました。

しかしながら、満遍なく音が散りばめられていながら、ボーカルが艶々しています。
微細な音ですら拾い上げて再生するので奇妙なくらい解像度も高く感じられます。
さらに高インピーダンスのためかバックグラウンドのノイズも目立たない。

「高音質」よりも「好音質」
音楽を「再生」より「演奏」と表現するとしっくりきます。

複雑な要素を纏め上げており、聴けば聴くほど高い完成度に驚くばかりです。
音を聞くというより音楽を文字通り「楽しむ」ためのヘッドホンでしょう。


T90-HD650

T90とHD650は共通する部分があります。
それは音場であったり、広がりや伸びといった部分であり、残響のコントロールが巧みだと思いました。
帯域のバランスはT90が高域よりで、HD650が低域よりですが根幹にあるのはフラットな中域。
波形の再現性も大事ですが、それ以上に音の広がり方を強く意識して設計された感じがしました。
またどちらも構成部品をモジュール化しており、修理や部品の調達がしやすく耐久性も高い。
道具としての完成度も優れています。ドイツのメーカーらしく質実剛健なイメージ。


HD650-X1

HD650とX1も共通するものがあります。
それは音楽を誰もが楽しく聞けるような違和感の少ない鳴り方だと思いました。
サ行の刺さり、高域のギラツキは一切無く、それでいて不足感も少ない。
特定の領域が多すぎということもなく、味付け程度でフラットな部類でしょうか。

X1はパワフルで深みのある音を、HD650はフラットながら中低域に厚みのある音です。
HD650は生演奏だと独特のベールに包まれた感触ながら広がり感が楽しく、
X1はそれに加えてEDMやポップス、打ち込み系にも相性良くオールマイティに楽しめます。

X1はやや低域が強調されているのでHD650の方が自然な低音ですが、グルーブ感や音圧も
体感できるX1の方がより楽しく、パワフルで好ましいサウンドです。

T90やDT990Eは生演奏だと臨場感が大変素晴らしいヘッドホンですが、高域を加えて
生々しさを演出しているため長時間聞いていると疲れやすいです。
特にミックスが悪いポップスだとザクザクした刺激で鼓膜が痛くなってきます。

X1とHD650は独特の周波数特性にはめ込んで鳴らすので、とても滑らかで
心地よく再生してくれるのです。
HD650の方が割りと強めに丸め込む傾向にあるので、録音次第ですが演奏者の熱気や
会場の雰囲気がやや削がれやすいように感じています。その代わりはじめて聞く音源でも
ゼンハイザーカラーに染め上げてくれるのである意味安定度抜群。
何を聞いても極端にバランスが崩れないのきわめて我の強いヘッドホンです。
その点X1は器用に整えてほんの少し「響き」をプラスしてあげるので、はっきりとした定位感
でありながら閉塞感も少なく、深い鳴り方で聞けば聞くほど惚れ惚れします。
いくつもヘッドホン買いましたがやっぱりX1が一番好きですね。
[ 2015/04/01 01:10 ] ヘッドホン・イヤホン | TB(0) | CM(0)

【ヘッドホン】 Fidelio X2を購入しました。 【レビュー】 

Fidelio X2

イタリアAmazon.itよりPhilips Fidelio X2を購入しました。

輸送業者はi-Parcelでしたが珍しく通関がスムーズで1週間ほどで到着。
トラッキング見るとイタリア→フランス→ベルギー→イギリス→日本と渡ってきたらしい。

到着して間もないので詳しい比較は後ほど。
先に開封した写真を掲載しておきます。




□ Fidelio X2 外観

Fidelio X2 外箱
海をはるばる越えてやってきたFidelio X2
外箱は指紋と埃にまみれていました。潰れていないだけマシだなぁ。


Fidelio X2 内箱
外箱を取るとまた箱。X1よりチープな箱になりました。


Fidelio X2 開封
開封するとX1の時と同じようにX2が納められていました。
湿気対策にシリカゲル入っています。
トレーの下には取説とコードが入っています。


Fidelio X2 付属品
付属品一式。
・3.5mmミニプラグケーブル3m(ケブラー繊維外皮)
・6.3mm標準ステレオプラグ変換アダプター
・ケーブルクリップ
・取扱説明書

X1は付属ケーブルが標準プラグ仕様でした。
ミニプラグに変更したのはポータブル機器に挿しやすいように配慮したのでしょう。
線材も変えたらしく抵抗値が大幅に減りました(実測で片側0.6Ω、往復1.2Ω)


Fidelio X2 付属ケーブル
X1の時からこのケーブルクリップの利用法が思いつきません。
いいアイディアあったらご教示くださいませ。


Fidelio X2 標準プラグアダプター
Foxtex HP-A3のイヤホン端子は標準ジャックなので、X2で聞く場合は変換アダプターを
取り付けて使用します。


左Fidelio X2 右Fidelio X1
Fidelio X1と並べてみました。左がX2、右がX1です。
X2のヘッドバンドが大きくなっていますね。


左X2 右X1 ハウジング
見た目はX1が好みです。X2は地味な子になっちゃったな。
落ち着いた雰囲気なのでX1より好きという人もいそうですね。


Fidelio X2 イヤーパッド
X2からイヤーパッドが取り外し可能になりました!
ひねらず真っ直ぐ引き抜くようにして取り外します。
他社パッドと大きく異なり左右別になっており、取り付け位置も指定されています。
イヤーパッドもひっくるめて楽器のようにチューニングしているとインタビューにも
書いてあったのでこだわりがあるのでしょう。


Fidelio X2 バッフル
イヤーパッドを外したバッフル部です。ドライバーは15度傾きをつけて配置されています。
「耳に自然にフィットし、内部の反響音を最小限に抑えながら高精度なサウンドを実現します。」とのこと。


Fidelio X2 ドライバー
X2の進化した箇所にドライバーの改良が挙げられます。
Fidelio S2で採用されたLMC振動板(Layered Motion Control Driver)と呼ばれる技術を取り入れました。
中央に赤く見えるのが制振ゲル(damping gel)で、前後の振動板に挟まれた多層構造となっています。

Philips-Fidelio-X2-drivers.jpg

Layered Motion Control (LMC) drivers feature a multi-layered polymer diaphragm that encases a layer of damping gel. These layers form a flexible boundary and – together with the gel – absorbs and dampens any exaggerated frequencies, resulting in a smooth and flatter frequency response. The result is a more balanced, natural and refined range of high frequency sounds.

LMCレイヤードモーションコントロールを搭載した高性能50mmネオジウムスピーカーが、豊かな低音と自然な中音を再現し、クリアな高音を引き立てながら、洗練された奥行きのある自然なサウンドを実現します。


ゲル層が誇張されたエネルギーを減衰させる事で、滑らかでフラットな周波数応答になり、
その結果、よりバランスの取れた自然で洗練された高音域になる。  らしい。実際聞いてみないとね。




□ Fidelio X1と何が変わった?

・イヤーパッドが交換可能になった。
・ヘッドバンド大型化(頭頂部の負担減)
・側圧がわずかに強くなった。
・カラー変更(シルバー → ブラックへ)
・付属ケーブルが標準からミニプラグ化。
・付属ケーブルが低抵抗な物になった。
・音色の傾向が少し変わった。




□ Fidelio X2をHP-A3で視聴してみる。

いつも通り聞き慣れたHP-A3と繋いで視聴してみました。
Fidelio X1との比較となります。予想していたよりも音色が異なっているように感じました。


■ 頭頂部の負担が大幅に軽減されました。
ヘッドバンドの大型化したことにより頭頂部への負担が大幅に減りました。
X1も使用していくうちにメッシュハンモックが緩くなって丁度良くなってきましたが
X2は最初から適度な圧力になりました。

■ 側圧が少し強いです。
まだ慣れていないのか側圧はX1より強く感じます。
そのうち一定ラインに落ち着くでしょうから心配していません。
10日間使ってまだX1より強めですが側圧が和らいできました。

■ 音がやや硬くなりました。
バーンインもそこそこに聞いてみました。はっきりと異なっているのが高域の出し方です。
X1の時よりも高域側が伸びているように感じられました。キラキラしています。
ただT90にも似た硬質な響きでもあり、現時点では少し騒がしい印象です。
バーンインが進めば変化してくるでしょうか?

T90と比べてなぜかサ行が刺さりやすい気がします。T90は誰が聞いても高域が多いのですが、
サ行は痛く感じるギリギリまで攻めて、X2は中立でありながらたまにラインを超える感じ。
X1と比べたら少し高域多めで音色が結構違って聞こえます。

■ 音場に広がりが出てきました。
高域側の伸びや抜けが良くなったことで広がりが出てきました。
定位感もX1と同じく優秀ですね。ダイナミックレンジの広がりはX2がやや優勢かな?

■ 低域の量感が少し減りました。
量感の変化はわずかに減った程度で、他機種と比べたら多い部類です。
低音多めの音源を鳴らせば開放型と思えないほど鳴ってくれます。
重低音側の減衰が増えたのか、沈み混みが浅くなった気もしますが
音源によって印象が変わりますね。低音域の輪郭がさらに分かりやすくなりました。
元々低音が多ければずっしり重く、少なければ割とあっさり鳴ります。
よりフラットに近づいたということかもしれません。

低域を10段階で表すとすればX1が9段目、X2が8段目。
重低音の響きはほんの少しX2がスッキリしている位でほぼ同じ。
豊かな響きを生み出す帯域をよりニュートラルに近づけた感じを受けました。

■ 中高域の一部に凹みがある?
一番気になった点がボーカルが浮ついて聞こえる場合がある事です。
中高域の分離はX1より良くなっていると思うのですが、たまに違和感があります。

X1の時はボーカルが音楽に上手く混ざって滑らかに再生されていたのですが、
X2はたまにボーカルだけ中央にぽっかりと浮いていて、高域と低域は別のところから
鳴っているように感じます。ボーカルの芯となる領域は変わっていないのですが、
抜けに相当する部分がピンポイントに抑えられているような感じでしょうか。
曲調やミックスにも影響されると思いますが、X1よりもボーカルが遠めに感じる事も。

バーンインが進んだのかボーカルが遠く感じたのは勘違いだったようです。
それよりも高域の量が時間経過でさらに増えたように感じます。

■ 他に気になったこと
残響感が抑えられ全体的にスッキリしたためか、音に包まれる感じが弱くなったように感じます。
解像感はわずかに良くなったようですが、高域が目立つようになって解像感が上がったように
感じているだけかもしれません。キラキラ感が増えてトーンがちょっと暗く明るくなった感じ。

パッド交換可になったことやヘッドバンドの改良など、製品としての完成度は格段に良くなっていますが
肝心の音がまだしっくりきません。バーンイン数百時間のX1と比べること自体がアレかもしれませんが、
音質は互角か、わずかに劣るように思います。


解像感はX2>X1だと感じるようになりました。
ただ大幅に良くなったというより、中域の分離が良くなった事に起因しているように思います。

音色の傾向が結構変わってしまったので、そこを気に入るかどうか。
X1がドンピシャで気に入っている人は必ず視聴することをお勧めします。

もしかするとバーンインが進めばX2が好ましい音質に変化するかも?
HD650のように時間経過で音の変化が大きいヘッドホンもあったので
しばらく様子を見て変化が現れれば追って記載しようと思います。



□ 2015/02/25 追記

・一部誤字訂正しました。

X2は音色の方向性が変わってしまったので別物だと思ったほうがいいです。
X1は密度のある低域と滑らかな高域で、心地よさを優先した音質。
X2は中高域の解像感と豊かな低音の両立を目指したように感じました。

ちなみに私はX1の心地よい柔らかな音色が好みです。
X2は性能はいいんですが少し硬めの質感のためか、ボーカル物がやや擦れて聞こえるのが気になります。

Amazon.comやAmazon.itのレビューと自分の感想がここまで食い違うのも気になります。
もしかするとHP-A3の特性によるものかもしれません。
実家のパソコンで使っているDN-11221を持ってきてそのうち比べてみようかな。


□ 2015/03/01 追記

DN-11221に繋いでも音の傾向はそれほど変化は見られませんでした。
HP-A3に戻すと言葉にしにくいのですが、いい音に感じます。
今のところHP-A3で再生する方が自分の環境では最良のようです。

X2はX1より硬い音なんですが、T90やDT990のように金属質でないので冷たい感じがしないですね。
ストレートに迫ってくる感触がします。個人的には少々高域が過剰気味かな。
バーンインが進み落ち着けばいいのですが。
X1はドライバーから発した音がハウジング全体を満たしながら包み込むような雰囲気で
優しい音です。X2から切り替えるとホッとします。

低域の再現力はX1を超えたと思いました。
ローカットフィルターが浅く100Hz未満を多く含んだ音源を聞くと、空気の振動する様子まできちんと再生していることが分かりました。X1の低域はふわっとした柔らかさと濃密さで、頭部を取り囲むような独特の鳴り方をしますが、X2ではふわふわした鳴りを控えめにしてより極低域側が鳴るようになっています。そのため、音源次第ではX1よりもX2の方が重低音が多く感じるものも出てきました。
量感は減った分、引き締まったお陰で質が良くなりましたね。以前より癖が少なくなりました。
硬めの高域はまだ不満ですが、低域の鳴り方はとても気に入りました。
[ 2015/02/14 09:00 ] ヘッドホン・イヤホン | TB(0) | CM(0)

【ヘッドホン】 Sennheiser HD650を購入しました。 【レビュー】 

HD650 外箱


昨年秋口にゼンハイザー HD650を購入しました。
いつもなら記事にしているところでしたが、何かと忙しく放置していました。

すでにFidelio X1やbeyerdynamic T90、DT990 edition 2005など所有しています。
今頃になって購入しなくても良いのではないかと悩みましたが、学生時代に憧れた機種で
思い入れ強かったこと。そして値上がり傾向にあり今購入しなければ今後手にすることは
一生無いだろうと思い購入に至りました。

当然ながら中古を買う気はさらさら無く、新品を購入。
これがある意味失敗で、しばらくの間悩みの種となってしまいました。




□ HD650の外観/付属品


HD650 ケース
ボール紙の外装を外すとシルバー色のケースが出てきます。
過去形とはいえゼンハイザーの旧フラッグシップ機。演出が豪華で良いですね。


HD650 ケース中身。
ケースを開けるとカッティングされたスポンジの上にHD650が収納されています。
運搬用には大きく不便ですが、保管用と思えばちょうど良いです。


HD650と付属品
付属品は変換ケーブルと保証書と取扱説明書が入っていました。
ゼンハイザーは偽物が横行しているようなので保証書は無くさないよう保管しておきます。


HD650 本体
学生の頃、一人で東京に上京したときオーディオショップに展示してあったHD650に衝撃を
受けてからもう何年経つんでしょうか。発売して間もなかった気がするので10年以上前かな。

実際に手にしてみるとなんと飾り気も色気も無い、無骨な外観。
どうして当時メーカー名すら知らない状態でこれを視聴しようと思ったのか。
プラスチックを多用していますが、意外と頑丈。
細かい部分まで考えられて設計されていることが伝わってきます。


HD650 背面メッシュ
ハウジングのメッシュと特徴的なバッフル。
内部にシルバーのフィルターと黒い吸音材、ドライバーが見てとれます。
外からドライバーまで確認できる機種はHD650が初めてだったりします。
(X1やT90はハウジングが透けないので中身が見えません)


HD650 アームバンド
ガンメタリックのヘッドバンドはテカテカ光沢を放っていました。こういう仕様だったっけ?
最後に視聴した時から結構経つので記憶が曖昧になっています。
ロゴが大きく印刷されています。こういうのも悪くないですね。


HD650 正面
ヘッドバンドのクッションは頭頂部を中心に左右へ分かれています。
隙間が生まれることで長時間視聴したときに負担にならないよう配慮している物と思われます。
実際ゲームで3時間ほど使いましたが不快感が一切無く快適そのもの。
本体重量260gらしいですが、数値以上に軽く感じます。


HD650 生産国
生産国はアイルランド。ドイツ本国はHD800など最上位機を製造しているそうです。
beyerdynamicは下位機種までドイツ製。うーむ。


HD650 イヤーパッド
イヤーパッドはベロア素材。スポンジは少し硬めです。
厚みがありますので、耳全体をすっぽり包んでくれます。
交換も可能ですがペア5000円弱します。ブランド価格だなぁ……

購入直後は側圧の強さとパッドの硬さで疲れやすかったのですが、100時間ぐらいで
馴染んで気にならなくなってきました。




□ 購入してしばらく音が悪かった

HD650のレビューが遅れに遅れた理由の一つが「開封直後の音が悪く感じた」事でした。
新品でしかも正規代理店を通して買っていますが、それでもなお偽物ではないかと疑ったほどです。
あまりに落胆してしまって、記事にする気も起きず、その日のうちに売却しようとまで思いました。

ショップで聞いたHD650は絹のような滑らかさと賞賛される高域と、ふくよかな低域で大変素晴らしく
思えたのですが、手元にあるHD650は高域はキンキンして硬く、低域が全体に被ってしまい
ボーカルに曇りをもたらしています。

解像度も正直T90に完敗で、Fidelio X1やDT990Eにも劣るように感じました。

音場の広さはDT990EどころかT90よりも狭く感じました。
低音が強いヘッドホンという評判のHD650ですが、X1はもとよりT90よりも低域側のレンジが狭く思えました。
Fidelio X1の濃密な低音を聞いた後ではなおさら薄く感じます。
中~重低音の量は全体を通して見ると確かに多いのですが、盛り上がる箇所が無くX1比でフラットです。
ダイナミックレンジは高域側に広く、極低音は思っていたより控えめで抑揚が薄く感じます。

高域が優しく暖かみのある音色だと感じていましたが、やや耳障りな印象を受けました。
低音も引っ込んでおり無機質なのではないかと思うほどです。
あまりに別物のような鳴り方をするのでHP-A3ではうまく鳴らせないのでは無いかと悲しくなりました。
この程度であればまだDT990Eの方が自然に鳴っている気がします。

自分が聞いたHD650とはいったい何だったのだろうか。
ショップのHD650とイメージがかけ離れていてありえないなと。

落胆が大きすぎて検証する気も起きず、音楽鑑賞はX1とDT990Eを交互に使うことにしました。
HD650は装着感だけは良かったのでテレビに繋ぎっぱなし。
大変高価なゲーム/マルチメディア用ヘッドホンになってしまいました。

そして1ヶ月経過し……




□ ある時を境にHD650の音質が豹変した

ある日のこと、いつも通りHD650を使っていると音が変わっているような気がしました。
そこでHP-A3に接続し直し、普段聞いている曲を鳴らしてみるとすごくいい感じです。
以前感じたネガティブな要素が一切消え失せ、滑らかに鳴ってくれるのです。

そして時間経過とともに音が鮮明になってきました。
Fidelio X1もバーンインに時間のかかるヘッドホンで安定するのにそこそこかかりましたが、
HD650はさらに変化が大きく最初の音から想像もつかないほど綺麗に鳴るようになりました。

保管状態や輸送中に湿気を帯びて正常に動作していなかったか、硬めのイヤーパッドが
変形してちょうど良い塩梅になったのか、理由は定かでありませんが確かに良くなっています。
バーンインがとても有効なヘッドホンだと分かりましたので、外出中はピンクノイズなどを
再生するようにして合計300時間以上鳴らし込みを行いました。

結局安定して聞けるようになるまで2ヶ月近くかかりました。
イヤーパッドの変形の影響が大きそうです。ピンクノイズを鳴らしていたときより
実際に装着して聞いている方が変化が大きかった気がします。




□ バーンインの進んだHD650の音質は?

こうして聞いていると、本来の性能を発揮したHD650の音は味わいがありますね。
2ヶ月経過した現在、視聴機で感じていた音質にかなり近づいたように思います。
記事に起こすまで時間がかかったのはこういった経緯があったからです。
中古市場に度々並ぶのは少なからず自分みたいに購入直後の音にがっかりした人がいたのでは無いかと思います。
HD650を評価するなら最低でも数十時間は音出ししてからの方が良いですね。

生々しさやリアル感はDT990Eが上です。高域の鮮烈さや抜けの良さはT90に分があります。
低域の深みや濃さ、定位の良さはFidelio X1が優れていると感じます。
その中でHD650は中立の帯域バランスを保ちながら、微細な音に対する反応が素晴らしく
音が消えていく瞬間まで見事に再生しきってくれます。余韻の伸びが非常に上手い。
ノイズを削り落としつつ良い部分だけを際立たせてくれるようです。
入力された波形をきちんと再現しつつ、聴覚に基づいたイコライジングを行っている感じでしょうか。

確かに巷で噂されるとおり低域よりのヘッドホンですが、高域もクリアに鳴ってくれるのです。
丸い音とも言われますが、それはバーンイン不足か再生機器に問題があるように思います。
T90と比べても解像感は決して劣る物ではありません。むしろリバーブなど空間系エフェクトを
しっかり捕らえて鳴らしてくれるので、下手するとHD650の方が上質に聞こえるほど。

リアルさという点で言えばbeyer機に一歩譲る印象が強いですね。
念入りに調整されたオーディオルームで聞いているようです。
ただT90では高域が強すぎて聞きにくい場面であってもHD650は上手く鳴らすので好みの範疇でしょう。
HD650は低域寄りのT90と言ってもあながち間違いでは無いと思います。

高域にしても低域にしても押し出し感が少なく、どちらかというとフラットな印象。
低域が重心となっていますが圧迫されるような強さが無く、かといって薄いわけでも無い。
手持ちのヘッドホン中ではマイルドな性格で割と何でも力まずに聞かせてくれます。

評価が二転三転したヘッドホンですが、最終的に購入して正解でした。
少なくともT90を手放すのに十分な理由の一つとなりました。

店頭で延々と視聴したこともあって、どのような音色なのか分かっていたつもりでしたが
実際に手にして聞いているとマニア向けというか癖のある機種です。
視聴せず評判だけで買うべきでは無いヘッドホンです。皆さんも良くご検討を。
[ 2015/02/09 10:34 ] ヘッドホン・イヤホン | TB(0) | CM(2)







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